ねこ半纏について

「ねこはんてん」とは、信州・木曽谷で古くから伝えられている冬の防寒着です。

袖の無い背中だけの半纏、マタギのようなものというと分かりやすいと思います。

 

南木曽ねこ(なぎそねこ)は有名ですが、木曽谷は縦に長く、他の地域でも様々な「ねこ」が作られてきました。

木曽の家庭にお邪魔すれば皆、ねこを着ているんです。

 

 

地域によって、作り手よって違うかたちの「ねこはんてん」

漬物の味が家庭によって違うように、「ねこ」も各家庭によって違うんですよ。

 

 

屋号「珊檀果sandunga」のねこはんてんです。

 

一点一点私が手作りして仕立てています。

 

中綿には近江真綿を使用しています。

 

真綿=繭です。お蚕様です。

 

真綿という名前から間違えやすいですが、コットンではありません。

 

 

現在、真綿の代表産地は、福島県、滋賀県、中国です。

わたしは国産の滋賀県産近江真綿を使用しています。

 

真綿100%のねこは綿入りのねこと比べて、薄く、軽くって暖かい。

 

「包」のねこはんてんは、とても薄いので、外出の際でも洋服の下に着ることが出来ます。

また、天然の素材を使用しているので、お年寄りや肌が弱い方、アレルギー持ちの方にも喜ばれています。

 

 

軽すぎて背負っているのを忘れる程。

着ていることを忘れてそのまま出かけちゃったり、そのまま就寝してしまったよ。という声をよく聞きます。

 

着用感を感じず体を温めることができるので、肩こりの方にもお勧めしています。

袖が無いので、家事や仕事をする際にも邪魔になりません。

背中が冷えやすいお年を召された方や闘病中の方にも大変喜ばれています。

 

ねこを着始めてから、冷えや病気はおなか周り(からだの中心)が冷えることから始まるんだと実感しました。

また、ねこは地球の大気層のような効果だ、とおっしゃってくださる方もいらっしゃいます。

 

 

中の真綿です。これは蚕何匹分?

大変貴重な近江真綿を惜しみなくたっぷりと使用しています。

羽織るだけでうんと暖かい。

 

わたしが木曽谷に来て初めて出会ったねこは、地域のおばあちゃんたちが当たり前のように昔の着物を作り直したものでした。

 

タンスの奥に眠っている着物、想い出の着物を最善の方法で生き返らせる、そのひとつがねこはんてんだと思っています。

 

 

先人の知恵から産まれた冷え取りねこはんてんをどうぞお試しください。

 

 

*中綿による出来上がりの厚みについては、「よくある質問 Q &A」をご覧ください。